角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

「それでね、私、楠木さんと……ううん、瑠衣ちゃんと友達になりたいの! ダメかなぁ?」


……私と友達に?


「ううんっ、いいよ! 私も、紗倉さんとお友達になりたい!」

「よかったぁ。じゃあ私のことは菜々って呼んで!」


えっ、いきなり菜々って呼びすてにするのは、難しいな……。


「菜々ちゃん……じゃだめかなぁ?」


つばきちゃんも、最初呼び捨てで呼んでって言われたんだけど、今までそういう呼び方をしたことがなくて。


「ううん、それでもいいよ! てか、瑠衣ちゃん可愛い!」


むぎゅーっと抱きしめられる。


うわ、菜々ちゃんすごくいい匂いする……。


先輩もすごくかっこいいけど、菜々ちゃんもすごく可愛い。お人形さんみたいにおめめぱっちりだし。


「おい、なにやってんの」


背後から声がした。

あ……この声は……。


「瑠衣は、俺のだから勝手に触るな」


菜々ちゃんが手を緩めて、2人して先輩を見つめる。


“俺の”だなんて……。

もうっ、先輩ってばすぐそういうこと言うんだから。
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