角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

平野先輩が、かっこいいのはもちろん分かった。

はじめておしゃべりしたけど、それだけですごくどきどきが止まらなかった。


でも、先輩がモテモテでファンまでいるなんて知ったのは、つばきちゃんに聞いてから。

今までそんなこと知らなかったの。


「ただね、私は、平穏な学校生活を送りたいって思ってるだけなの。それはつばきちゃんも知ってるでしょ」

「それはそーだけど……もったいないっていうか。せっかく華の女子高生になったんだからもっと高校生らしいことしようよ」


私の意見に不服だったつばきちゃんは、唇を尖らせる。


華の女子高生らしいって、どんなことだろう……。
恋をするとか? ……でも私には未知すぎる世界で、想像もできない。


「私、つばきちゃんっていう優しい友達に出会えて、趣味のお菓子作れてるだけで十分幸せだよ」


私にとって今の生活がすごく楽しいの。

それなのに、人気者である平野先輩と関わりを持ってしまったら先輩のファンに白い目で見られちゃう……。
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