角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。

先輩からかけられる質問が、どれも照れくさくて。


「俺、やばい」


両手で顔を覆った先輩。


「……え、あの、先輩?」


なにがやばいんだろう。


「瑠衣がいきなりそんなこと言うから」


えっ、私……? 私がなにかとんでもないことを言っちゃったのかな。


「お、怒らせてしまったら、ごめんなさいっ……!」

「怒ってねーよ。ただ、そろそろ限界だなって思っただけ」

「……へっ?」


一体なにの限界なんだろう……。


「瑠衣のせいだから」

「わっ、私…ですか? 私はべつになにも……っ」

「そうやって無自覚に煽るところがずりーよなぁ」

「え、あの、ええ……?」


責められている気がするのは、気のせいじゃない?

だけど、怒られてるわけじゃなさそう……。


「つーか今日のお菓子、何だったの?」

「あ、えっと、プチシューでした。小さなひと口サイズのシュークリームです」

「うわ、うまそー。いや、絶対うまいに決まってるし」
< 98 / 280 >

この作品をシェア

pagetop