初恋酩酊〜恋を知らない彼に溺れる〜
恋は良いものじゃなかったのかよ。
人を愛して幸せにしたいと想うのは良いことだって信じてるんだろ。
だったら、信じる相手くらい見極めろよ。
何で自分のことを傷付けるような相手と付き合ってんだよ。
もっと良い相手いるんじゃねぇの。
もっと、恋は良いものだって言う人間に合うような。
俺は、俺だったら……。
「いや、俺が一番ダメだわ」
一人暮らしのアパート、ベッドの上で自分にツッコミを入れる。
あ、ダメだわ。
というか、俺だったらってなんだよ。
俺はただ、あの子ともう一度話したいだけだ。
いや、話すにも話す資格すらない気がしてきた。
胸を張ってあの子の前に立つとしたら、今の俺に出来ることは一つだけ。
俺はスマホを掴み、セフレの連絡先を片っ端から削除した。
文句を言われるだろうがどうでもいい。
その頃にはもう既に盲目になっていた。
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