これが我が一族の能力〜鎌倉時代編〜
「愁一郎様ー!!」
「あれ?龍ちゃんは?」
「それよりちょっと来て下さい!」



私は、愁一郎様を龍輝殿の部屋連れていく。



「明里?龍ちゃんがどうしたの?」
「龍輝殿は、何かに乗っ取られています」
「あーやっぱり?」
「やっぱりって愁一郎様、何かご存知なのですか?」
「昨日、龍ちゃんさ、お仕事しに行ったわけよ。嵐山の方にね、彼の話しによると、晴明殿を酷く憎んでいるらしくてね」
「龍輝殿は、仕事終わらせて帰って来たのですか?」
「そう言ってた」



龍輝殿大丈夫かな?
でも龍輝殿そんなやすやすと仕事引き受けて……。



それより安倍晴明様を怨んでいる人間は沢山いる。
それは陰陽師として、朝廷から仕事を依頼されたりしているから。
仕事だから仕方ないのに。


「明里、しばらく様子見よう」
「そうですよね。何かするって決まったわけじゃないですし」


できるならゆうみたいにはなって欲しくない。

そして、眠り続けて4日目。
龍輝殿が目を覚ました。



「おはよう。龍ちゃん」
「おはよう。愁一郎さん」
「……眠そうだね?」



龍輝殿は、目を擦りながら答える。



「昨日、帰ってくるのが遅かったからな」



昨日!?
眠ってたから仕方ないけど。



「龍輝殿?あなたは何日か眠ってましたよ」
「はぁー!?」
「嘘じゃないよ。本当に眠ってたんだって!」
「……」
「きっと疲れていたんだよ」
「明里殿。稽古するか?」
「では、朝餉が終わったら道場に行きます!」
「じゃあ、俺先に行ってるよ」
「あ、龍輝殿!朝餉は?」
「今日はいいや」



龍輝殿はそう言うと先に道場に向かっていく。
私は朝食をすませ道場に向かう。
< 42 / 78 >

この作品をシェア

pagetop