もう一度、その声が聞きたかった【完結】
「えっ…?」

『気付いてないのか…?
最近のさくらは俺に何も話してくれないよな。
ストーカーのことも休養のことも…
あの事件の時もすぐに連絡して欲しかった。』

「…ごめんなさい。
離れてるし心配かけたくなくて…。」

『さくらの気持ちもわからなくもないけど
前のさくらならなんでも相談してくれたし
話もしてくれた。
やっとさくらと同じ気持ちになれたのに
付き合う前よりさくらが遠くに感じる。
さくらの全てを受け止めたいのに
思えば思うほど、さくらは離れていくような気がするよ…。』

「・・・・」

私は彼に何も言い返せなかった。

自分でも気付いている。
勇人にも…、かつては圭介や玲奈にも…

大切な人ほど心配かけたくなくて
自分をさらけ出すのが怖くなる。

今までもそうやって相手を不安にさせて
傷つけていたのかもしれない…。
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