もう一度、その声が聞きたかった【完結】
会議を終えた夕方
MDチームのブースに顔を出す。

私に気付いた勇人が
にっこり笑顔を向けてくれた。


『今日はもう全部終わり?』

「はい、終わりました。
森谷さんはどうですか?」

『あと少しで終わるから
下のカフェで待ってて。』

会社用の会話を終えて
お疲れさまです、とフロアの人に声を掛け
私はカフェに向かった。




しばらくして仕事を終えた彼が現れた。


『さくら、おまたせ。
今日は家で食べよう、用意してあるんだ。』

「うん、ありがとう。」

『今日は車なんだ。早く帰ろう。』

私の手を取り駐車場へと急いだ。



彼の部屋に入ると同時に
彼が私を抱きしめる。

『さくら、会いたかった…』
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