もう一度、その声が聞きたかった【完結】
「私も…会いたかったよ。
1ヶ月だけど寂しかった…」

自分でもびっくりするぐらい
素直な言葉が出てきた。

久しぶりに彼に会い
彼のぬくもりを感じて
ずっと張り詰めていた
緊張の糸が切れた気がした。

すごくホッとする。
彼の背中を腕を回し、力いっぱい抱きしめ返す。

彼はそんな私の様子を見て嬉しそうに微笑み
私の頬に触れ、キスをした。

しばらく玄関で唇を重ねていると
お互い汗ばんでいる事に気付く。

まだ9月上旬。

『暑いな……色々と…
リビングに行こうか。』

「色々とね…
今更だけど、お邪魔します。」

お互い笑いながら
部屋の中に足を進めた。
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