もう一度、その声が聞きたかった【完結】
ここ最近19時過ぎに店前に現れる
30代ぐらいのスーツ姿にメガネをかけた男性。

店外ディスプレイのアクセサリを
よく見ていた。

最初は気にしていなかったが
何日も見に来ていたので
思い切って声を掛けた。

「プレゼントをお探しですか?
よろしければ、店内にもたくさん種類が
ありますのでご案内いたしましょうか?」

『あぁー、はい。』

「男性1人だと入りづらいですよね。
こちらへどうぞ。どのようなデザインをお探しですか?」

『彼女にプレゼントしたいんだけど。
好みがよくわからなくて…
あなたによく雰囲気が似てるので…
どれがいいと思いますか?』

この手の相談はよくあるので
何点かおすすめするアイテムは頭に入れている。

「そうですね…こちらのネックレスは
先程よりシンプルかつ上品でコーディネイトしやすくておすすめですよ。」

私はハートのチャームに
小ぶりのスワロフスキーをあしらった
シンプルなデザインのネックレスを見せた。


『可愛いですね、これにします。』

「ではあちらでお会計を。
プレゼント用にお包みしてよろしいでしょうか?』

『はい、お願いします。』
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