日直当番【完結】
 水曜日の昼休み。私はいつものように由理と一緒に弁当を食べていた。

「進藤、1年生が呼んでるぞ」

 クラスの男子が教室後ろのドアで進藤くんを呼んでいた。廊下には永井さんが弁当の包みを顔の高さに上げてにっこり笑った。弁当を広げようとしていた進藤くんは、思い出したかのように弁当を包み直し、それを持って教室を出た。まさか、一緒に弁当を食べるってこと!?

 私は驚きのあまり箸にはさんでいたウィンナーを床に落としてしまった。

「あー!」

 昼休みのざわついた教室に私の声が響いた。

「おいうっせーぞ神崎。ウィンナーでも落っことしたか」

 皆川が焼きそばパンを片手に私たちのところにやってきて、近くの空いている椅子に座った。

「マジで落っことしてっしな。食っちゃえ。3秒ルールだ」

「ヤダよ汚い」

 私は落ちたウィンナーをティッシュに包んで拾い上げた。

「捺乃、どうしちゃったの?」

 顔を上げると由理が真顔で私に尋ねた。私は返答に困って少しの間宙を見上げた。

「進藤だろ?」

 皆川の言葉にこれまたびっくりして、勢いよく頭を上げてしまったがために、後頭部を机に思い切りぶつけてしまった。あまりの痛さに涙がにじみ出た。

「大丈夫か?」

「最近あの女の子よく見るね?進藤くんのこと狙ってんのかな?」

「いいのか?おまえの相方取られちゃうぞ?」

「別に相方じゃないし。進藤くんが誰とよろしくやってても私には関係ないし」

「気になってるくせに。なあ?」

「ね?」

 ふたりは顔を見合わせて笑っている。あーあ。いやーな気分。
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