日直当番【完結】
「それより蛍光灯も割れてしまいましたね。これ、古い方ですよね?」

「あ、うん」

「あとでこれも片づけましょう。脚立押さえててください」

 私は脚立を両手で押さえたのを確認すると、進藤くんは脚立に登り始めた。

「新しい蛍光灯ください」

「はい」

 進藤くんは手際よく蛍光灯を取り付ける。

「……あの…ホントにごめん」

「珍しく素直ですね。どうかしたんですか?」

「悪かったなって思ってんの」

 取り付けが終わって進藤くんは脚立から下りた。

「それじゃあ眼鏡を割ってしまった代わりに、明日一日、授業はノートを写させてください」

「それだけでいいの?」

 進藤くんは静かに頷いた。

「明日の放課後、眼鏡買いに行くなら付き合うよ?いや、付き合わせて!」

「じゃあ、そうしてください。さて、案外時間がかかってしまったようですね。あとは僕がやっておきますから、神崎さんは部活に行ってもいいですよ」

「この時間に行っても大して練習できないからいいよ。今日室内練習だから早く終わるだろうし。余計な仕事増やしたのは私だから、最後までやるよ」

 ふたりでバラバラになった机たちを戻して、割れた蛍光灯を片付けた。
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