日直当番【完結】
「皆川ってさーかっこいいよね」

「いきなりなんなの?」

 次の日の昼休み、由理の机で一緒に勉強しているときに、早速由理に皆川の話題を持ち出して反応をうかがってみた。

「背高いしなかなかルックスいいし、バカだけどおもしろいじゃん」

「うん。そうだね」

 素気なっ!!

「あいつホントにバスケうまいんだよ。今も体育館でバスケやってんじゃない?見に行ってみようよ」

「いい。行かない」

「なんか由理冷めてない?どうしたの?」

「何が?別に普通だけど」

 ぷいっと興味なさそうな素振りでノートに視線を移す。全然普通じゃないんですけど!!

「何か、悩んでる?」

「悩んでるっていうか…」

「どうした岩戸!元気がないぞ!」

 どこからともなく皆川が現れ、丸めたプリントの束でポカっと由理の頭を叩いた。

「皆川くん…」

 皆川は近くの席の椅子を引っ張り出して私たちの輪の中に入ってきた。

「皆川。バスケやってたのかと思った」

「今日は高野先生に呼び出しくらっちまって行ってない」

「またどうせビーカーでも割ったんでしょ」

「ちげーし。1か月前の宿題出してないだけだし」

 皆川が手に持っているプリント冊子は生物の宿題のようだ。
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