ゆるふわな君の好きなひと
「机貸してるんだから、ちょっとくらいは自分でやりなよ」
「えー……。ていうか、六時間目が自習なら、青葉が放課後にうちに来てくれるって約束は無効になっちゃう? 授業出たらなんでも言うこと聞いてくれるって言ってたけど、これ、授業じゃないもんね」
机に片側のほっぺたをくっつけて、青葉の顔を下から覗き見る。
わりと楽しみにしてたのになー。青葉がうちに来てくれるの。
そう思って不貞腐れてたら、青葉が遠慮がちに、おれの頭に手をのせてきた。
「なに?」
上目遣いに見上げて首を傾げたら、青葉がちょっと迷ったように視線をうろうろさせた。
「なんでも言うこと聞くっていう約束は、由利くんが、ちゃんと自分で課題をやったら有効にします」
「え、うちに来てくれんの?」
「きゃ、課題をちゃんとできたらだよ。自分で……!」
パァーッと目を輝かせたら、青葉が焦って言葉を噛んだ。
自分で提案してきたくせに、動揺するのが可愛い。
ていうか、実は青葉も、おれん家に行くこと楽しみにしてくれてたのかも。