ゆるふわな君の好きなひと


「何もヘンなことしないよ? ちょっと一緒に寝るだけ。保健室のベッドで何回も一緒に寝てるじゃん」

「ヘンなことって何……? ていうか、保健室のベッドはいつも由利くんが勝手に潜り込んでくるんじゃん……」

 下心が透けないように、にへらっと力のない笑みを浮かべると、青葉がぶつぶつ言いながら立ち上がって、少しだけベッドのほうに距離を詰めてくる。

 それでも、ベッドに寝転がっているおれの場所からは、手を伸ばしても青葉に触れられない。

 なんだかよくわからないけど、おれは昔から自分の意志とは関係なく女子に付きまとわれてトラブルになることが多くて。

 晴太には「圭佑が曖昧な態度ばっかとるからだ」って怒られてた。

 だけど青葉は、話すようになる前も話すようになったあとも、自分からは近寄ってこなくて。

 必要なときにおれから近付けば、仕方ないなって顔をしながらもちゃんと構ってくれる。

 最初はその絶妙な距離感が心地よくて、一緒にいるのが好きだったけど……。

 今は、おれが手を伸ばせば触れる距離にずっといてほしいし、いつでも青葉から近付いてきてほしい。

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