ゆるふわな君の好きなひと

 右手を伸ばして頬に触れたら、ビクッと肩を上げた青葉の瞳が揺らぐ。

 無言で見つめてくる青葉も、真面目に勉強してるフリして、部屋にふたりだけのこの状況に緊張してくれてるんだってわかった。

 少し張り詰めた空気を和ませるために、頬に触れた手を移動させて、青葉の頭をくしゃっと撫でる。


「休憩しよ、休憩」

 ベッドまで床を這って行って寝転ぶと、表情を和らげた青葉が、呆れたまなざしを向けてきた。


「由利くん。勉強は? わたし、電車で帰らないといけないし……。休憩してたら、他の教科を教える時間なくなっちゃうよ?」

 わかってるよ。

 でも、せっかく青葉が来てくれたのに、勉強だけで終わったらつまんないじゃん。

 ベッドに肘をついて横向きに寝転ぶと、おれの隣に空いたスペースを手のひらでトントンと叩く。


「青葉、こっちおいで」

 ちょっと意識して優しく甘い声で呼んだら、青葉が少し警戒するように瞳を揺らした。

 単純にくっついてぎゅってしたいだけだけど。

 下心、透けてる?

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