幼なじみが愛をささやくようになるまで〜横取りなんてさせてたまるか〜
「あ、楓太。こっち!」

気が付いた楓ちゃんは手を上げこっちに向かってきた。

「待たせた?ごめん」

「大丈夫。今きたところだから」

そう話すと早速3人で歩き始めた。
私を真ん中にして歩くのは変わらない。
小さな頃から陽ちゃんは右、楓ちゃんは左だ。

「今日寿司食べに行くんだろ?」

「うん、ご馳走様です」

「俺?!もしかして財布が呼び出されたのか?ショックだな」

「そんなことないよ。久しぶりに楓ちゃんに会えて嬉しいよ。ね、陽ちゃん!」

「そうだな。おれも陽太に会うなんてひまりがいないとないしな」

そうはいうが楓ちゃんは陽ちゃんをギロリと睨む。

「俺ら双子なんだから割り勘な。ひまりはまだ稼いでないから免除」

「稼いでる額が違うだろ。楓太ひどい」

「ひどくない。陽太だってそこそこ稼いでるって知ってるぞ。割り勘な」

「なら寿司はやめよう。パスタにしよう!」

慌てる陽ちゃんはキャラクターなのか見ているだけでほっこりする。

「2人ともご馳走様です」

「ひまりだから特別だぞ」

陽ちゃんは渋々了解したような顔をしているがきっと最初から割り勘のつもりだったんじゃないかな、と思った。
そんなこと楓ちゃんもきっとわかっているからからかうようなことなことをいうのだろう。
双子ならではのこの掛け合いが私は大好き。
いつまでの二人と一緒にいたいと思った。
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