無理、俺にして
ふみちゃんが近づこうとした時、

藤沢くんはまたもや後転するように後ろに倒れ、丸めた背中が床につくのと同時に床を強く叩いている。

……受け身?


そのすぐ近くにいる小池くんが、受け身をとる藤沢くんを見てゲラゲラと笑っている。


「フジ、受け身とったらモテると思ってるらしくて……くふ、ふっ……」


まだ私の肩をぎゅっと抱きしめたまま、折原くんも笑っている。
あっくんはすぐそこで、お腹を抱えながらしゃがみこんで声も出さずに笑っていた。

受け身とったらモテる……って、いったいどうなったらそんな考えになるの?


「……ぷ、あははっ」


その後も何度も受け身をとる藤沢くんがおかしくて、私まで笑ってしまう。


「……ゆめ」

「んっ?……んっ」


顔を上げた瞬間、落とされるキス。

それは一瞬で離れてしまって、すぐに意地悪い折原くんの顔が視界いっぱいに広がる。

皆がいるのに!! なんて言葉はすぐにどこかへ飛んでいってしまった。


「これからよろしく」

「こ、こちらこそ……っ」


「な、な、な……!!」


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