双子の兄弟が異常なくらいに溺愛してきます
「今失礼なこと考えてなかった?」

「そんなことは…」

怪しい。実に怪しい。

「そんなことよりさ、あと一週間で夏休み終わっちゃうね~!」

うん、さらっとなかったことにしようとしている様子。だけど私は、寛大な心で許すことにした。

「そうだね…」

私たちの学校の夏休みは、約一か月。長くも短い夏休みだった。

「ねぇ那柚」

「ん?」

「もうそろそろでしょ?お父さんの転勤」

「そうだね…」

お父さんの転勤は、1年に一度あるかないかである。私がここに来たのは、約一年前。
ということは、もうすぐで、ここを離れる可能性がある。

「転勤、嫌だな…」

「仕方ないよ。お父さんの仕事すごく移動が多いんでしょ?」

「…だけど、寂しい…な」

お父さんの仕事は転勤が多い。全国でかなり有名なお父さんは、全国どこでも転職がある。単身赴任じゃダメなのかお母さんに聞いてみたら、「ママね、お父さんと離れるの嫌なの~」と言って却下された。それでも女子高に無理言って通わせてもらっているし、文句なんか言えなかった。

「那柚、離れても絶対毎日メールしてね?絶対だよ?」

「…うん。うん!」

転校ばかりする私に、友達の別れはつきもの。いつも慣れないものだ。
絶対に泣かないと決めていたのに。

「ぐすっ…うぅ……」

寂しさの涙は、止まることを知らない。
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