双子の兄弟が異常なくらいに溺愛してきます
「お待たせ、ごめん待った?」

「うっ、可愛い…じゃなくて、全然待ってないよ!」

「冗談はいいから、早くいくよ!」

「冗談じゃないし…まぁ、いっか」

よく私のことを目の保養だとか、可愛いだとか意味の分からない冗談を言ってくるこの子、小林 帆奈(こばやし ほな)は、私の大親友である。

いま私たちの学校は夏休み中である。こんな暑いので、今日は学校のプールに行くことにした。

「なんでそんな肌きれいなのさ!」

今更衣室にて、着替えているのだが、私の体をじろじろ見ながら、そんなことを帆奈が言ってくる。
正直に言って、気持ち悪い。そんな体をじろじろ見ないでほしいものだ。

「冗談言ってないで、さっさと着替えなよ。」

「だから冗談じゃないって!」

「はいはい」

「むぅ…」

軽くあしらっていたら、あきらめたようだった。

それからは、めちゃくちゃはしゃぎまくった。私たちの住むところは海に面していないため、水遊びは最高なものなのである。
まさかこの時が、帆奈と最後に遊ぶ機会であったとは、この時の私はまだ知らない。そして、まさかあんなことになるとも。

「いやーめっちゃあそんだね。」

「そうだね。楽しかった。」

「そういえばさ、宿題どこまで終わった?」

「ん?もう全部終わったよ?」

私にとっては、あれくらいの課題は、どうってことないのである。

「え?結構あったよね?」

「そう?」

「うん…(これはなに言っても通じないかもな…)」
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