幼なじみの一途な狂愛
「梨々香ちゃん!」
「いらっしゃい、梨々ちゃん!」

スグルと光昭が、微笑み待っていた。

「スグルくん、光昭くん。
お疲れ様!」
梨々香も微笑んだ。


「なんか…梨々香ちゃん、元気ないな!」
スグルが心配そうに言った。

「梨々、何があった?
言って?」
「僕達でよかったら、聞くよ?
それとも乙哉と二人がいいなら、奥の僕の部屋貸そうか?」
乙哉が顔を覗き込み、光昭も優しく聞いてくる。

「あ、ううん。大丈夫だよ」
「梨々?」

「みんなは、知らない?
◯◯インテリアのホームページ」

「課長の不倫?」
「うん。拡散されて今、荒れてるでしょ?」
「そうだな。
でも、梨々のことは何も………」

「課長、前の会社でも不倫してたみたいなの」

「………マジ…!?」
乙哉とスグルは知ってたが、知らなかった光昭はかなり驚愕していた。

「それで、左遷になってウチの会社に転職してきたみたいなの」
「そうなんだ……」

「世間は、ほんと冷たいね……」

「ん?」
「誰があんなのアップしたんだろ?」


「………俺だよ」

「え……乙哉が?」

「そうだよ。梨々はあんなに苦しんでたのに、あいつは苦しまないなんておかしい!!」
「どうして!!?」
「は?」
「どうして、そんなこと……」

「地獄に落としたかったから」

「じご…く?」
「あぁ、そうだよ」
「乙哉、コメント欄見てないの?
あることないこと、凄い拡散してんだよ!?
いくらなんでも、酷いよ!!」

「大丈夫だよ。梨々のことは一切出させないから!」

「そうゆうことじゃないよ!!」

「は?何が?」

「相手の女性だって、無傷じゃないんだよ!?
課長だって………!」

「梨々はさぁ!!
まさか課長のこと、庇ってんの!!?」
「違っ…!!」
「じゃあ、なんでそんなこと言うんだよ!!?」

言い合いを始める、乙哉と梨々香。

「ちょっと、やめろよ!!
乙哉も、梨々香ちゃんも!」
スグルが止めに入る。

「相手の女には、了解を得てる」

「え?」
「相手の女、言ってた。
会社は辞めてるし、和多が自分だけ逃げたから仕返ししたい。だから、ネットにアップしてくれて構わないって」

「そう…なの…?」

「梨々の言いたいことわかる。
一度、ネットに晒されたら一生消えない。
それに、不特定多数の他人にまで非難される。
それが、酷すぎるってことだろ?」

「……………うん。確かに、自業自得だから乙哉が言いたいことわかる。
乙哉が、私の為にしてくれたことも……
でも、でもね……こんなの……」


「俺は、和多のこと……殺したいくらい憎いよ」
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