幼なじみの一途な狂愛
乙哉の真っ直ぐな瞳に、啓介は全てを察する。

「俺は、お前の代わりだったってわけか………」

「そうゆうこと…!
…………ほら、梨々。帰ろ?」
梨々香の頭をポンポンと撫で言った。

「うん…
啓介、ごめんね」

乙哉と梨々香は手を繋ぎ、イタ飯屋を後にする。

一度、乙哉が振り返り言った。

「もう二度と、梨々に会うな。
いい?これは“約束”だからな。
………………俺の許容範囲は、一度だけ!
賢く生きろよ?」


マンションに帰り着くまで、乙哉は無言で梨々香を引っ張っていた。

手は、痛いくらいに強く握られていた。
とにかく、放れないように━━━━━━

エレベーターの中。
「……乙哉」
「………」
「……ねぇ!」
「………」
「ねぇ!ってば!!」
乙哉と繋いだ手を少し引っ張りながら声をかける、梨々香。

「乙哉!!
怒ってるの?」
自宅の階に着いて、引っ張られ中へ入る。

ガチャンと玄関の鍵をかけた途端、グッと強い力で引っ張られた梨々香。
そのまま乙哉に口唇を奪われた。

「ンンン……んんっ…んぁ……」
息苦しくて口唇を離そうとしても、乙哉にガッツリ頭を掴まれていて、離れられない。
意識がボーッとしてきて、漸く解放された。
梨々香はふらつき、乙哉に支えられる。

「梨々、服脱いで!全部」
「はぁはぁ…え…?
ここで?」
「うん、今すぐ裸になって?
今の俺、余裕がない。俺がすると乱暴になるから、梨々が脱いで!」
「だったら、ベッド行こう?」
「ダメ。時間が惜しい。今すぐ脱いで!」

「………わかった」
梨々香が自分で服を脱ぎ出す。
乙哉はとにかくもどかしくて、その間梨々香のこめかみや頬、首などにキスで責めた。

「やぁ…やめ……」
「ん…早く、しないと…手が出そう……早く脱いで…」
やっと全裸になった、梨々香。

「やっぱ…綺麗……梨々…」
うっとりとして言った、乙哉。

「乙哉…」
「俺がつけたキスマークでいっぱいだ……!
綺麗……/////」

乙哉が、梨々香の身体を見て舐めずりをした。

まるで、食事前の肉食動物のようだ。

「乙…哉……怖い…」
「梨々」
「え……」

「さっきの男、元彼だよな?」

「うん」
「何処が良かったの?」
「え?」
「あいつの、何処が良くて付き合ったの?」

「雰囲気が、乙哉に似てたから」

「俺?」

「うん。乙哉と同じように、私を包み込んでくれそうだったから」

「そう…」
乙哉がゆっくり梨々香に近づく。

「はっくしゅん…!!!うー、寒いよ…乙哉」
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