唯くん、大丈夫?


「唯くんが……会いたくなるからって、言ったの……?」





…どうしよう。



どうしよう。



胸が、苦しい。



泣きそう、どうしよう。



会いたい。



会いたい会いたい。



唯くんに会いたい。





美琴が泣きそうな私の顔を見て微笑む。


「かなり落ち込んでるって言ったら美琴頼んだ、とか言ってさ。まぁ言われなくても側にいたけど。」

「どうして言ってくれなかったのさ…みこっさん…」

私は半べそで美琴に訴える。


「唯に口止めされてたんだよ。テスト終わるまではって。」


「…?今回のテスト、何があるの?」


「さぁ?『唯くん』に聞いてみたら?」


美琴が苺を頬張りながら小首を傾げて笑って、
また隣のユリアちゃんから鼻血が噴き出す音が聞こえた。




< 121 / 456 >

この作品をシェア

pagetop