唯くん、大丈夫?

盲点。

教室を覗いてみると、さっきまでの活気はどこへやら、誰もいない。



「仕方ない…勉強でもするかぁ」



唯くんの言う通り、198位は今日から勉強を始めるとしよう!




「…ん?」




自分の席にカバンを置くと、窓の外に頭が見えた。




窓に近づいて覗いてみる。





ゆるくパーマがかったマッシュショートの髪が風に揺れた。


ライトブルーのストライプのワイシャツにグレーのパーカーを羽織ってるその人が、


花壇の前でしゃがんで腕まくりし、土をいじってる。





「…てらちん!」



「ん?」





てらちんが振り向いて、ズレた丸眼鏡の奥にある切長な目で私を見上げた。


「おー、羽根村。」



てらちんは泥のついた軍手が当たらないように、腕を使って眼鏡を直す。

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