唯くん、大丈夫?

唯くんと明応大について調べながらあーだこーだ話して下駄箱までくると、パタパタと小走りで近づいてくる足音。


「あ!九条君!いいところに!ちょっといい?」


保健の山尾先生だ。


「九条君、お父さん整備士だったわよね?今日薬剤師さんが来てくれてるんだけどね、車の調子が悪いみたいで…車の中のこと、分かる?ちょっとだけ見てくれない?」


「え…治せるか分かんねーけど」


「助かるわ!羽根村さんごめんね!薬剤師さんちょっと急いでるみたいなのよ!こっちこっち、はやく!」


「え、ちょっ」


山尾先生は有無を言わさず唯くんを引きずるように外廊下へ続く扉へと引っ張っていく。


「唯くーん!適当に待ってるねー!」


私が聞こえるように大きな声で言うも、それに唯くんが何か答える前に重い扉がバタン!と閉まった。



「…行っちゃった」



さて、 どこで暇つぶししようかなぁ。


ひとまず教室戻ってみよーっと。





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