唯くん、大丈夫?
「眼鏡執事くんこっちに行ったよね!?」

「あれ?どこいった?」

「あっちじゃない!?九条くぅーん!」





「…」





女の子たちがバタバタと廊下を駆け抜けていき、その音が遠くなっていく。





盛大な溜息と共に、私の口元の手が外された。






「…唯くん…だ、大丈夫…?」




げっそりした唯くんが、壁にもたれてズルッと床に座り込んだ。




「大丈夫じゃない」


「だよねぇ…」




あービックリした。

いつもなら匂いで一発でわかるんだけど、今日は衣装が違うから分かんなかったよ。



執事姿で項垂れる唯くんを、私もしゃがんで眺める。







これは…




お嬢様の前ではキチッとしてるけど仕事を終えた途端オフになる爆イケ眼鏡執事…





「…クフゥ…」


「キモい」


「エヘヘ」


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