唯くん、大丈夫?
「待っ……!」


















いつもの天井



眩しい朝日



呑気に流れる陽気な音楽のアラーム







…朝だ。







私は起き上がって頬に一筋だけ伝った涙を拭った。






「…久しぶりに見たなぁ。」






今朝のどう見積もっても嬉しくない夢は、私の十八番。






「毎日唯くんの夢見せてくれたらいいのに…ふぁ。」






慣れっこの私はあくびをして、数字の3みたいになってるだろう目に曲がった眼鏡をかけて部屋を出た。

冷蔵庫みたいにひんやりしてる廊下を抜ける。


「うぅ…さぶ……ん?」


リビングの電気がついてる。



「ん、優花。おはよ」



私のお気に入りの花柄ピンクのエプロンをつけたお父さんがニコニコしてる。



「おとっさん〜、おはよぉ。はやいねぇ」


「うん。たまには朝飯作ろうと思ってね。」




食卓に並ぶサラダ、スープ、ちょい焦げトースト、ちょい焦げベーコン。



「わぁ……!」


「はは、優花みたいに上手じゃないけど。卵は目玉焼き?ぐじゅぐじゅ?」


「ぐじゅぐじゅ!」


「おっけー」


「やったー!お父さんのごはん、久しぶりだぁ!」


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