唯くん、大丈夫?
「…話聞くよ。みね君。」



みね君は多分、私と一緒。

本当に辛いとき、1人で抱え込もうとする。


…でも

本当は誰かに聞いてほしい。

誰かにわかって欲しいって思ってる。



みね君は顔を見られたくないのか、私と反対の窓の方に顔を背けた。



「……束縛彼氏に怒られんじゃないの」


「束縛じゃないよ。ちょっとだけ嫉妬深いんだよ。」


「同じだろ。」


みね君が乾いた笑いを漏らした。


しばらくの沈黙の後、いつものチャラみね君からは想像できないような弱々しい声で話し始めた。



「……なんかさ」



「うん」



「…親が離婚するらしくて」



「!」










『お父さんとお母さんね…お別れすることにしたの。』









もう5年以上前に聞いたそのセリフが

私の頭の中で鮮明にリピートされた









「俺のせいなんだよ」



『私のせいだ』










みね君の言葉が

私があのとき漏らした後悔と重なる






「…ずっと伏線はあったんだけどね。」
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