唯くん、大丈夫?
みね君は深呼吸して話し始めた。




「…まず、3年前に姉ちゃんが受験に失敗して引きこもりになった。

世間体を気にして焦った親が、なんとしても俺をいいとこに入れなくちゃってなって。
俺の勉強について親はいっつも口論しててそれがどんどん激しくなっていった。

俺は…合格すればいいんだ、きっと、良かったね、結果オーライだねって笑ってくれる日が来るって思いながら今日までやってきた。

でも今回の模試、E判定で…

結構、頑張ったんだけどな。
先生にも志望校変えろって言われた。
案の定家に帰ったら口論になって母さんが『もう嫌!こんな家!』つって、父さんも『離婚だ!』って…」



 

そこまで喋って、みねくんはまた一息ついた。





「…もう、多分巻き返せない。受験も、家族も。」





「…はは。我ながらダッセー話。」





みね君は困ったように笑って私を見た。





「…えっ」






そして、

目を大きく見開かせた。






「ちょっと、」



「…ッ。」



「なんで優花が泣いてんの?」
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