唯くん、大丈夫?
「…うっ、うっ、グスッ。…すびばせん」


「え…えぇ〜?」



鼻水を垂らして号泣する私に困惑したみね君が、自分のリュックから慌ててタオルを取り出して渡してくれる。



「うぅ〜…かたじけない…ズズッ」



私はみね君からタオルを受け取ってビショビショになった顔にタオルを押し当てる。








「……ふ……あっは!」







みね君が笑い出した。







「あっはは…なんでそうなるんだよ…!」







みね君が私を見て爆笑してる。







みね君が、







「あー、もー…なんだこれ、意味わかんねぇ…」






泣きながら、爆笑してる。







「…っ、みね君…」




私が嗚咽をもらしながらみねくんを呼ぶと、

相変わらず泣き笑いするみね君が「なんだよ」と言う。




「…みね君」




「だから、なによ」





みね君も私も、涙と鼻水でグジュグジュだ。





「みね君のせいなことは、何一つない…っ」





もしかしたら私は





「みね君は…すっごく頑張ってる」





あの時誰かに





「みね君はちゃんと志望大に受かるし、お父さんとお母さんが、りこ、離婚しちゃったって、ちゃんと…っ、ちゃんと楽しく、生きていける…っ。」





こう言って欲しかったのかもしれない。








「だから、絶対、絶対大丈夫…!」

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