唯くん、大丈夫?










唯くんを、忘れる…?












「昔のことなんてどうでも良くなっちゃうぐらいたくさん笑わせてあげる。
絶対、絶対幸せにする。

だからもう、
そうやって胸を傷めるの終わりにしよう。」






みね君の優しさが

どんどん私の心に入ってくる



きっとみね君は

私を笑顔にしてくれる

幸せにしてくれる



もう唯くんを好きでいても意味がないんだ

ただ苦しくなるだけ

唯くんとの幸せな日々を思い出してどんどん苦しくなっていくだけ



みね君の言う通り

もう終わりにしよう

キラキラした日々を思い出して傷ついたり

勝手に期待して裏切られた気になったり

もう、疲れた







「俺が、いるよ…ずっといる。

だからもう、」










みね君なら信じられる

そう思える













「俺にしなよ。優花。」













こんなこと言ってくれる人は、

こんなに私を想ってくれる人は、

きっと一生現れない









きっと

みね君しかいない









私は唯くんへの想いを飲み込むように唾を飲んで、

静かに流れる涙はそのままに、

両手を持ち上げてみね君の背中をギュッと掴んだ。



















「………うん」


















これからはこの人を、大事にしよう。






















みね君が腕の力を弱めて私の顔を覗き込んで、
切ない表情で私の涙を拭う












「優花……辛かった分、俺が、絶対幸せにしてやるからな」
















そう言ってみね君はゆっくり顔を近づけて、私の唇にその見慣れた柔らかい唇を重ねた。






初めてしたみね君とのキスは、


フワッとしててあったかくて


優しい春の陽だまりみたいだ、と思った。







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