唯くん、大丈夫?

まぐろプリン。

スタジオの外に出ると、生ぬるいビル風が頬を掠めた。







もう疲れた。







カメラの前に立つと、いやでも心まで丸裸にされる。


ファインダー越しに優花を探してしまう。


優花が見てくれるかもしれないという期待と、

どうしようもない感情をデトックスするためにこの仕事を続けてきたけど




もうやめないと

こんな無意味なこと

前に進まないと







キャップを深く被り直して人混みに紛れようと足を踏み出した時、強い視線を感じた。





身に覚えのある、強い視線。





目を向けると、ひときわ目立つオーラを放ちながらガードレールに腰掛け、

凛とした目でまっすぐこっちを見る、







「…美琴」







俺の姿を真っ直ぐに捉え、少し前まで病院のベッドに寝てたとは思えないしっかりとした足取りで歩いてくる。






え、なんで?…あ、






「退院おめ…


「何してんの」



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