唯くん、大丈夫?





「……へ?」










まだ肩で息をしてる唯くんが、まっすぐ私を見てる。

事態を飲み込めずにアホヅラする私を、見てる。









「好きです。付き合ってください。」








唯くんが整いすぎてる唇をもう一度動かして同じ言葉を紡ぐ。


理解するよりも早く、ボッと火がついたように熱くなる、私の顔。



「え、いや…え!?」




なにこれ?なにこれ?

夢?

え、私もしかして、死んだ!?




周りからは「え?なに?」「なんかの撮影?」とかいう声が聞こえてくる。





唯くんは無表情のまま、もう一度繰り返す。





「好きです。付き合っ


「っだぁーーーーーー!!!!!!!!」



キャパオーバーになった私は、ここ数年で一番のクソデカボイスを放った。



「ちょ、ちょっと唯くん!ストップ!!」




素直にピタッとストップする唯くんの腕を引っ張って、人混みの中を「すいません、すいません」と平謝りしながらひとまず人が少ない隣の車両の優先席付近へと逃げる。




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