唯くん、大丈夫?
そんな感じで駅まで着くと、唯くんは単語帳を開いて勉強し始めた。




そうされるとさすがの私も話しかけることはできなくて、隣に並んで冷たくなった手をすりすり揉む。



手に息を吹きかけながら、唯くんのきれいな横顔を横目で盗み見る。



…私たち、本当に付き合ってるのかな?





昨日までの多幸感はどこかにすっ飛んでいってしまって


今は不安なぐじゅぐじゅした気持ちばかりが募る。









『…羽根村優花は、俺の彼女。いい?』









2日前の出来事なのに。


夢だったのかと思うぐらい昔に感じる。





15センチ横にいる唯くんが、


遠い。





彼氏になったはずの唯くんが、


すごく、遠い。





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