唯くん、大丈夫?

「…別にいらねーだろ。」





声、ひっく。


そんな低い声でるの?唯くん。





「…あ…いや、でも……私、すっごく申し訳ないことしちゃったから…」


「カルメ焼」


「え?」


「カルメ焼」


「カ…?」


「カルメ焼」


「か、カルメ焼って…理科の実験とかでやる、お砂糖で作るカルメ焼?」


「そう」



唯くんは無表情で前を見ている。



「あ……あー…参考に、するね…?」



なぜ?

なぜにカルメ焼?

唯くんやっぱり怒ってるの?

にしてもなぜ、カルメ焼?



「…えーと…あ、そうだ!もうすぐ学年末テストだね!勉強全然できてないからヤバいなぁーあはは」


「…」



しばらくの沈黙の後、

唯くんがふぁ〜と大きな口を開けてあくびした。







「唯くん、眠い?」


「別に」


「じゃあ私の話、つまんない?」


「別に」


「…」




やっぱり、怒ってらっしゃる…?
< 80 / 456 >

この作品をシェア

pagetop