唯くん、大丈夫?
「美琴!おっはよー!」


「優花。おはよ……大丈夫?」


美琴が心配そうに私の顔を見る。

おぉ…聖母様…。



私は導かれるまま、昨日の唯くんのクラスに行った時のこと、帰り道のことを美琴に話した。




「…優花、頑張ったんだね。」


美琴が頭を撫でてくれて、また涙がちょちょぎれて、ひしっと抱きつく。


「うぅ…好きぃ…」


「まぁでも、唯が怒るのも分かる」


「え!?どうして!?」


「どうしてって……優花。唯の気持ちがどれだけ強いか、まだ分かってないの?」


「…?」


よくわからなくて首を傾げる私に美琴がため息をついた。


「まーなんにせよ、『めんどくさい』は言いすぎだよね。
なんでかわからないけど、相当疲れてるんじゃないかな。
それで気が立ってるのかもしれないし、テストが終わるまではそっとしといたら?
優花が頑張りすぎて、わざわざ傷つきにいくことないよ。」


…おぉ…さすがです聖母様…

なんて的確かつ冷静な判断なんだろう!

これが大人になるということか。

さすがおじさんと付き合ってるだけある。



私は美琴の両手をとって、自分の手で包んだ。


「ありがとう、美琴!私、大人になるよ!美琴みたいな大人の女性に…!!」



ビックリした美琴が「何言ってんの、同い年でしょ」と笑う姿は朝日にキラキラ輝いて、とても大人っぽかった。



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