唯くん、大丈夫?
キーンコーンカーンコーン…



お昼休みになって、私は美琴とご飯を食べるためにいつも通り机を動かしはじめる。


ん?


美琴が長い髪を垂らして俯いたまま、動かない。




「…!」




私はその顔を覗き込んで瞬時に身体を硬直させた。





「み、美琴さん…どしたの…?」



「…」




美琴が、怒っている。





一見無表情にも見えるけど私には見える。


美琴の背中に降臨したおっそろしい顔の鬼が。


その証拠に、こめかみにミシッと浮き出る青筋が髪の隙間から見え隠れしている。




ふと美琴の視線の先にスマホの画面が見えて、恐る恐る覗く。






金髪美女が美琴の最愛のおじさんのほっぺにキスしてる写真と


『America is fun place XD』



というメッセージ。





その後に、



『ごめん!お客さんとこの娘さんがイタズラして…うんたらかんたら』



と、必死に弁明するおじさんの長文メッセージ。




……ワーオ
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