今日から君の専属マネージャー

新しいクラス表を見に行ったけど、もうそこにはほとんど誰もいなかった。

だから私と一緒のクラスになって喜んでくれる人は誰もいない。

一人急いで教室に向かう。

階段を上ると、慣れない廊下に、見慣れないクラス名が並ぶ。

自分のクラスを探して中に入り、自分の座席を確認する。


__お、ラッキー、窓際。


方々から「同じクラスだね」と何人かに声をかけられたけど、喜び合う間もなく朝のSHRのチャイムが鳴った。

少し上がった息を整えながら、外を見た。

学校って、どうしていつも桜が満開になるのだろう。

しかもこの時期に合わせて。

まるで、タイミングをしっかり見計らっているような。

すべてにおいてダメダメな私とは、出来が違うんだろうな。

「ふー」と息を吐き出したところで、先生が入ってきた。

挨拶を簡単に済ませたところで、先生はパンと手をたたいた。


「このクラスに転校生が入ることになりました。早速紹介します」


先生が廊下に出て迎えに行く。

その間、漫画やドラマみたいにクラス内がざわざわすることはない。

私たちは教室の前方扉を静かに見守っていた。



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