イノセント・ハンド
少しして、風井が動きだす。

彼の上にはまだ紗夜が抱きついたままである。

『もう大丈夫だ。紗夜君、ありがとう。』

その声に、ハッっと顔を上げる紗夜。

無我夢中でとった行動であった。



犯人が発砲するよりも早く、ティークの放った銃弾が、犯人の腕に命中していた。

そのため、犯人が放った2発の銃弾は、的を外していた。


ゆっくり総監が立ち上がり、マイクを取る。


『君達のおかげで、私は無事だ。諸君、ありがとう。それから・・・、美女に抱きつかれるのは、年をとってもいいもんだ。』

場内は、大きな拍手と歓声に包まれた。


『全く!人の気も知らないで、とんだエロ狸だわ!!』

『サキさん!シーッ!!』


こうして、一旦の中断はあったものの、その後イベントは順調に終了したのであった。
< 31 / 57 >

この作品をシェア

pagetop