ずっと探していた人は
「おーい! 大橋! ミーティングするぞー!」

グラウンドからの大橋くんを呼ぶ声に、私はぺこりと頭を下げる。

「練習の邪魔しちゃってごめんね」

プレゼントを渡せたのは良かったけれど、やっぱり今は迷惑だったかも。

「ううん。ありがとう」

「また教室でね」

私はそそくさと足早にグラウンドから去る。


「滝川さんっ!」

グラウンドに背をむけた私に、大橋くんが呼びかける。

「どうして、これ」

大橋くんがプレゼントを指さす。

「どうしてって?」

「どうしてわざわざ買ってきてくれたの?」

大橋くんが、首をかしげる。

「お礼だよ」

「お礼?」

なんのことだかさっぱりわからない、という様子で、大橋くんは首をかしげながら聞き直す。
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