世界一大きな恋
身体測定が終わり、俺は真っ先に梓紗のトコへ行った。

「梓紗!あれ?梓紗は?」

梓紗のクラスの入り口で名前をよんだけど、返事がこないし

まず、梓紗がいなかった。

「あれ?梓紗、愁一君のトコ行ったけど」

梓紗の親友の木戸が答えてくれた。

「さんきゅ!」

くそう。

入れ違いになったのかよ。


今度はまた俺の教室へ走っていった。

「あ、梓紗は?」

「いるよぉ」

梓紗は堂々と俺の席に座っていた。

「おいおい、お前らさ、」

親友の龍汰がニヤニヤしながらこっちへ向かってきた。

「な、なんだよ」

気持ち悪ィ…。

俺は咄嗟に後ずさりした。

するとヤツは俺の耳に近づいて、小声で言ってきた。

『お前らお似合いじゃね?』

ハッ!?

「なっ、何馬鹿なこと言ってんだよ////!」

「いやぁーんっ。照れてるわあ」

「体くねらすなっ」


俺と、梓紗が…お似合い?

「とにかくっ、いいこった」

そう言うと龍汰は廊下に出た。

「龍汰ぁーーッ!!!!!」


く、くそう。

アイツ、俺の気持ち知ってたのか?


実は俺、柴田愁一は…

梓が好きだった。

5年で、同じクラスになってから、ずっと。

だけど、いつも会ったら素直になれなくて喧嘩ばかり。

こんな俺を、梓紗は嫌いだろうな…。
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