敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
『……ええー!?』

そして、今に至る。

昨日は一睡もできなかったし、祖父が元気でほっとしたからか、一時間半、気を失うように寝ていたようだ。

「もしかして私、もう飛行機が大丈夫なんでしょうか」

自分がわからなくなり、大地さんに訊いてみた。

「さあな。でもおまえには、暴露療法が効果的なのかもしれないな」

「暴露療法?」

「ああ。あえて飛行機に乗せて恐怖に晒し、安全だと身を以って知ることで慣らしていく方法だ」

「ものすごい荒療治じゃないですか」

へたをすれば余計に飛行機がだめになりそうな、思いきったやり方だ。

でもたしかに今日北海道までの往復便に乗り、少し不安に慣れた気がする。たった一日でこれだけの成果が得られるなら、私には合っているのかもしれない。

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