たぶんもう愛せない
<ブッキング>
さすが、新宮電機の跡取りの結婚式というか、前回とは時期が違っているのにグランドホテルの大ホールに決まった。
会社の幹部は皆こちらに参加するし、経理部はもちろんだが営業部や広報部には招待状を送ることにした。

とにかく時間が無さすぎて色々な事柄を同時進行ですすめていくしかないが、どんなに忙しくても前回よりも楽しく感じる。前回は自分の意見を言えず、弥生に操られた海が主導で進めていた。でも今回は私が決められることは決めさせてもらった。
海は私が何かを主張してもそれに対して否定はせず尊重してくれている、それは前回の海智もそうだったんだろうか?私が変わったことで海も変わったんだろうか?


「新婦様は美しいですが可愛らしさもありますのでお似合いになるデザインの幅が広いです」

歯の浮くようなお世辞は前回も今回も同じだった、前回は可愛らしいデザインを勧められるまま決めてしまったが、今回はマーメイドラインの大人っぽいデザインにした。

同じ場所、同じ相手で違うドレスを着るとか、ある意味贅沢だけど、このドレスは私にとての戦闘服にもなる。
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