レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加



"プランナーさんに決めて貰えばいいよ。俺達忙しいしさ。"

式場が決まって、うきうきしていた私に成央さんはそう言った。
私も"そうですよね"と頷いた。


式まで後、5ヶ月と少し。
1ヶ月後には招待状の準備をはじめて、2ヶ月後には郵送しなければならない。




──ナツ、愛してる



時間だけが過ぎていく中、私は未だに"あの夜"の出来事を聞けないでいる。
太央が言ったことが本当なら、高校から続いてるであろう彼女の存在。
……私の父が知ったら彼はどうなるのだろうか。

このまま何も知らないふりをして、籍を入れてしまっていいのか。
もし、彼に問いただしたら私達の関係はどうなってしまうのか。
終わりを告げられたら……と思うと怖くて口に出すことなんて出来なかった。




「ん?志保ちゃん、どうかした?」

「あっ、いえ。なにも……」


悪い夢、悪夢。朧気な幻覚。
そう、もしかしたら、あれは夢だったんじゃないだろうか。




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