レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「あ、あなた何てことを……」
「志保ちゃんも実は思ってるんでしょー?
いっつも全否定されてさ、見てるこっちが可哀想になっちゃう位にー」
「なっ……、」
「相手にされない、自分を認めてくれない、眼中にさえ入れて貰えない。あんな奴、早くいなくなればいーのにってさ」
"一緒だよ"とニコニコと目を細めるから、胸がカッと熱くなる。
駄目だ、この子の挑発には乗ってはいけない。
歯をギリッと食い縛り、心を落ち着けるよう大きな息を吸ってゆっくりと吐いた。
「誰の事を言ってるか知らないけど。好き嫌いは別として、今まで不自由なく生活してこれたのも、ここの学費を出してるのも全部あなたの父親なのよ」
「頭のかたい真面目な先生はー、教科書みたいなこと言うんだねー。つまんないつまんなーい」
「私は平凡でいいの」
太央が駄々をこねるように言葉を続けていくから、相手にしないように──
「婚約者が他の女とヤってるのが平凡って言えるの?」
「……」
「それが、志保ちゃんの思い描く普通の幸せなの?」
「……」
「父さんのお見舞い行くよ。先生がー、放課後一緒に行ってくれるなら」
心臓が抉られたように苦しくて痛くて、泣きたくなる。