レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「奈都は兄さんが超好きだから。兄さんが志保ちゃんとの結婚を希望してる限りあの画像は出してこないよ」
「……え?」
「志保ちゃんは分からないよねー。だって志保ちゃんはさ、相手の幸せより自分の欲しいものを手に入れたいタイプじゃん?」
意味が分からなくて眉間に皺を寄せれば、人を馬鹿にするようケラケラと笑って、太央が言葉を続けていく。
「奈都はー、どっちかというと俺とおんなじタイプ。好きな相手の幸せを願うってやつ」
「それどういう意味……?」
「そのまんまの意味だよー」
しゃがんでいた身体を起こして、背中を向けた太央が歩き出した。
「待って、それじゃ……私がまるで成央さんを縛りつけてるみたいじゃない」
「えー、違うの?」
「違……う。あの人が、父が決めたことだから」
「あー、そっか。志保ちゃんが逆らえないあの父親が決めたんだっけ?」
「と、とにかく、あなたはちゃんと授業に戻りなさいって………、そっちは教室じゃないでしょう?」
「俺さー、先生とこっそり話す関係も好きだったんだけどなー。残念」
ヘラヘラと笑う太央が何を考えているのか分からない。