レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加



大きな背中にギュッと手を回せば、彼の手が私の腰に手が当てられた。



「子供の頃から考えてたよ。志保ちゃんの父親は立派な人で、口だけの父さんとは大違いだって」


弱音なのだろうか?成央さんがこんな話をするなんて、初めてかもしれない。



「父さんは会社の立ち上げから関わってきたし、志保ちゃんの父親の友人だから役職貰えてるけど本来ならそんなじゃないだろ?」

「あの、すみません……私、父の会社のことあまり知らなくて」

「自分の父親のようにはなりたくなかった。なのに志保ちゃんと婚約するということは結局……」


何かを言いかけてやめた彼の顔は、眉が下がって悲しそうなのに怒ってるように見えて、




「……んっ、」


突然、乱暴に唇を挟むように塞がれた。



「……な、成央さ…んっ」


痛いくらいに強く吸われたと思ったら、次の瞬間生温かい舌が私の口腔内をかき混ぜてくる。

"どうしたんですか?いきなり"なんて言葉は続けられないほどに激しさが増していく。



「んん、()っ……、」


噛まれたのか、口の中に鉄の味が広がる。鼻で息がするのが辛くて、酸素が足りなくて頭までまわらない。

一方的で、苦しくて、怒りの混じったその右手が、私の腹部を探るように動いてシャツの中に滑り込んできた。



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