真・T☆LOVE 〜滅亡の時〜
【11】訪問者の正体
~アメリカ合衆国~

ハワイの爆発事件で、緊迫した会議の中。

ウォレスト・バーン大統領の胸で、ラブの歌が流れ出した。

これでも極秘携帯である。慌てて、席を立つバーン。

「ハァイ!大統領。緊急事態なの。もうすぐ、アリゾナにあるNASAの研究施設へ着くわ。お願いだから、撃ち落とさないでね」

彼女の電話は、いつも緊急事態であった。

「おいおい。ラブ。例のアラスカの件か?今はそれどころじゃないんだ。次世代エネルギーの研究所が・・・」

「だから、来たの!!アラスカも研究所もまとめて面倒みるわ!早く、解除して!!もう降りないと、通り過ぎちゃうから」

ラブは大気圏ギリギリにいた。

アメリカ空軍最速の戦闘機F77 フェニックス。

一気に、急降下していくラブの目前に、荒野に伸びる滑走路が見えた。


NASAアリゾナ研究所。

地中に建設されたこの施設では、宇宙開発が行われており、地球外生命体の研究も実施されていた。

「ラブ。マーカス所長に話しておいた、無茶はするなよ」

「サンキュウー。大好きだよ大統領。あっ、そう言えば、アボット隊長の部隊をちょっと借りてました。では、後は任せて!」

言い終えたラブは、真っ直ぐに急降下して行った。


着陸したラブを、マーカス所長が直々に出迎えた。

「ようこそ。よくここがお分かりに。まだ、用件をお聞きしておりませんが・・・」

「マーカス所長、事態は一刻を争います。ご存知の通り、既に2箇所の研究所が破壊されました。このままでは、恐らく今日、残りの13箇所も破壊されてしまいます。今すぐ、各研究所への回線を全て遮断してください」

「な、何を!それはできない」

「所長、その回線を使って、遠隔操作で、各研究所を破壊している「者」がいます。もう時間がありません。阻止するには、遮断するしかないの❗️」



その頃、カリフォルニアの研究所に、その一団が着いた。

「ようこそ、我が研究所へ。さっそくですが、開発現場へご案内いたします・・・」


~NASA~

「トーイさん。ここでは回線を通じて、世界各地の研究所で抽出している、マントルエネルギーの制御を行っている。地球規模の制御が必要なのだ。バランスが崩れると、世界は終わる。2箇所が破壊されても、無事なのは、この回線のおかげなのだ。止めるには、順序があり、30時間ほど必要だ」
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