アメリカから出られない!
「俺は、そんなつもりで言ったわけじゃない……」

ぷくりと頬を膨らませつつも、オーウェンは私の手を振り払うことなく大人しく撫でられている。

「髪、寝癖ついてるからご飯食べたら髪の毛セットしてあげる。今日は提出しなきゃいけないレポートは片付いてるから、バスケの練習付き合えるし、お出かけもできるし、何でもしてあげられるよ」

機嫌を直してほしい一心で、ニコリと笑いながら言う。オーウェンは少し考えた後、「……映画、一緒に行って」と小さな声で返す。

「なら、早く準備しないとね」

私はオーウェンにそう言った後、再び朝食を作り始める。切った野菜をお皿に入れ、フレンチドレッシングを使って野菜の上にかけ、できあがった新鮮な野菜サラダをテーブルの上に並べた。

焼いたトーストと豆乳スープ、そしてフルーツ入りヨーグルトもテーブルに運び、庭の手入れをしていた夫妻に声をかけ、四人でテーブルを囲んで食べ始める。
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