こんな溺愛,ありですか?
いつも通り俺が見てればいい。

そう思ってついていくと,ほんの少しながら子供には遠いその距離を,静香は一人で間違いなく歩き,公園にたどり着いた。

近いとも遠いとも言えない距離で眺めていると,時おり俺に笑いかけながら,静香は1人で遊んでいた。



『わあっ。きゃははっっ』



突然の嬉しそうな声。

近づいてみると,砂だらけの手の中に,石のようなガラスのような,丸みを帯びた少し霞んでいる物体を持っていた。

見るからに価値のある,周りの喜ぶものには見向きもしないで,一人でふらふらと行き着いた場所で,誰も思いもしなかった自分だけの宝物を手にして笑っている。

その姿を見て初めて,俺は子供と言う存在が案外面白いものだと気がついた。

それから,静香は俺の特別だった。

5つも離れてて,俺は相当なヤンチャで,その頃なんて静香はもっとガキに見えてて。

だけどそいつが成長していく過程を,多分全部見ていたと思う。
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