イケメン総長は、姫を一途に護りたい
お父さんは、光さんを睨みつける。


「わかっています。咲姫さんを泣かせるようなことはしません」


光さんはお父さんから視線を外すことなく、そう宣言した。


そうして、わたしはしばらくの間、光さんのバイクで送り迎えをしてもらうこととなった。



久しぶりの学校。

教室に入ると、変わらずクラスメイトがワイワイがやがやしている。


わたしが席に着いて、しばらくすると…。

隣の席から物音が聞こえた。


視線を向けると、そこに座っていたのは…紛れもなく千隼くん。


久々に見る千隼くんに、胸がキュウッと締めつけられる。


…話しかけたいっ。


でも、わたしは千隼くんに声をかけることができなかった。


千隼くんも、また同じで。

わたしに話しかけることはなかった。


隣の席だというのに、夏休み前よりも机同士の距離は開いていて…。
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